ブログ

  • HOME > 
  • ブログ > 
  • 歯列矯正で鼻の下「人中」は伸びる?原因や…
2024.08.21

歯列矯正で鼻の下「人中」は伸びる?原因や伸びないための対策を解説!

こんにちは!宮の沢エミル矯正歯科です。

歯列矯正は歯並びを整え、口元のバランスを改善する治療ですが、矯正をすると人中(じんちゅう※鼻と口との間にある縦の溝)やほうれい線が目立つのではないかと、心配される方も多くいらっしゃいます。これらのしわは口周りの表情筋の動きによって生じ、不適切な歯並びが原因で表情筋を過剰に使うことから深くなる傾向にあります。

しかし、適切な矯正治療と対策を組み合わせることで、人中・ほうれい線を改善できるケースもあります。本記事では、歯列矯正と人中・ほうれい線の関係を詳しく解説し、予防と対策の具体的な方法もご紹介します。

人中やほうれい線の原因

歯並びの影響

歯並びが悪いと、あごの位置が前に出過ぎたり、無意識のうちに歯ぎしりや食いしばりの習慣がつきやすくなります。これが続くと、口周りの表情筋を常に使うことになり、表情筋が引き締まり過ぎて、しわが深くなることがあります。ほうれい線は歯並びと直接的な関係はないと言われていますが、歯並びやかみ合わせの問題によって、年齢に関わらずほうれい線が目立つことがあります。例えば、出っ歯や受け口などの不正咬合の場合、咀嚼がうまくできず、頬骨につながる咬筋が衰え、頬のたるみやほうれい線が強調されることがあります。

また、不正咬合で見られる口呼吸もほうれい線につながりがあります。口呼吸は唇を閉じる時に働く口輪筋を衰えさせます。口輪筋は頬筋などの表情筋とつながる大事な筋肉であり、口輪筋が衰えることで皮膚がたるみ、ほうれい線が目立ちやすくなります。

その他の原因(加齢、表情筋の影響など)

加齢に伴う皮膚のたるみや乾燥、日焼けによる紫外線ダメージ、喫煙による老化の促進なども人中・ほうれい線が目立つ大きな要因となります。加齢に伴うしわの変化については、多くの研究や統計データが存在します。個人差はありますが、一般的に、30代後半から徐々にしわが目立ち始め、50代以降になると顕著になりやすくなります。

具体的には以下のような変化が生じます。
30代後半:表情ジワが目立ち始める。特に、目尻や口元のしわが深くなりやすい。
40代:表情ジワに加えて、重力によるたるみが現れ始め、ほうれい線やマリオネットライン(唇の両脇からあごへ向けてのびる「溝」のこと)が目立つようになる。
50代以降:表情ジワやたるみがさらに進行し、しわが深くなり、ボリュームの低下によってしわが目立ちやすくなる。

これらの変化は、加齢に伴う皮膚のコラーゲンやエラスチンの減少、脂肪量の低下、骨吸収(古くなった骨が溶かされること)などが原因です。紫外線によるダメージの蓄積も、しわの形成を促進します。ただし、しわの現れ方には個人差が大きく、生活習慣なども関係します。

歯列矯正と人中・ほうれい線への影響

歯列矯正の効果

歯列矯正は歯並びを整えることで口元のバランスを改善する治療法です。歯並びが乱れていると、口を閉じる際に上下の歯がきちんとかみ合わず、あごが前方や側方に偏位することがあります。この状態が続くと、口周りの表情筋に偏った負担がかかり、筋肉が緊張した状態が続きます。特に、あごが前方に突き出た状態で口を閉じると、頬の一部だけの表情筋が引き伸ばされ、残りの筋肉や皮膚が緩み、ほうれい線が形成されやすくなります。また歯並びが悪くて片側だけで噛んでいると、よく使う側のエラが張り、一方使われていない側の筋肉は弛緩して、たるみになることもあります。

歯列矯正によって歯並びが改善されると、上下の歯が正しい位置でかみ合うようになり、あごの位置も安定します。その結果、表情筋への過剰な負担が軽減され、筋肉の緊張と弛緩が整えられます。特に、あごの前方偏位が改善されることで、頬の表情筋が自然な状態で収縮できるようになり、ほうれい線が目立ちにくくなる傾向があります。また、歯列矯正によって口元のバランスが整うと、リップシール(常に口を閉じ鼻呼吸していること)が改善され、口呼吸から鼻呼吸へと移行しやすくなります。鼻呼吸が習慣づくことで、口周りの筋肉が整い、ほうれい線の改善につながる可能性もあります。

このように、歯列矯正は歯並びを整えることで、表情筋の働きを自然な状態に近づけ、ほうれい線を改善する効果が期待できます。ただし、個人差があり、全ての方にその効果が現れるわけではありません。また、加齢に伴う皮膚のたるみや、他の要因によるほうれい線については、歯列矯正だけでは改善が難しい場合もあります。歯列矯正は、口元の美しさを取り戻すための有効な手段の一つですが、ほうれい線の改善には、複合的なアプローチが必要なケースがあります。

人中・ほうれい線が深くなるリスク

一方で、矯正治療の過程で人中やほうれい線が目立つ可能性があります。矯正装置を装着することで、歯に矯正力がかかり、歯が動き始めます。特に、上顎前突(上の前歯が前に出ている状態)の矯正治療では、上顎前歯を後方に移動させるために、矯正装置によって前歯を内側に押さえつける必要があります。これにより、前方に出ていた上の前歯で鼻の下の皮膚を伸ばしていた状態が本来の状態に戻ったことで、皮膚が若干余った状態になり、人中やほうれい線が深くなったように見える可能性があります。これは、矯正治療で抜歯をする際も同様のことが言えます。上の前歯を引っ込めるための抜歯では、口元の突出を整えることで鼻の下の皮膚が若干余り、本来の口元に戻ることになります。そのためにも治療開始前に、矯正歯科医と十分な相談を行い、治療の過程や予想される変化について理解しておくことが重要です。そして、矯正治療中は、それらのリスクを少しでも回避するために、適切なスキンケアや表情筋のトレーニングを行い、しわのケアに努める必要もあります。

歯列矯正によるしわ対策

適切なスキンケア

歯列矯正中もスキンケアをすることで、人中やほうれい線の目立ちを軽減できます。保湿クリームや美容液を使い、肌の保湿が基本です。また、ビタミンCやヒアルロン酸を含むスキンケア製品は、コラーゲン生成を促進し、肌のハリを保つのに役立ちます。

表情筋のトレーニング

表情筋を鍛えることで、しわの予防と改善が期待できます。例えば、顔ヨガやフェイシャルエクササイズを日常に取り入れることをおススメします。具体的には、口角を上げる運動や、頬を膨らませる運動などが効果的です。

生活習慣の見直し

バランスの取れた食事や十分な睡眠、紫外線対策を行うことで、肌の健康を維持し、しわの進行を遅らせることができます。また、喫煙や過度なアルコール摂取を控えることも重要です。

歯列矯正後の維持とケア

定期的なメンテナンス

矯正治療が完了した後も、定期的な歯科検診を受けることで、口元のバランスを維持することを心掛けましょう。せっかく矯正治療が完了しても、歯の後戻り(元に戻ること)や移動が少しずつ起こることはあります。気づかないうちに歯並びが再び悪くなることを避けるために治療完了後も医院での定期的なメンテナンスをお勧めします。

継続的なスキンケアと筋トレ

矯正治療が終了した後も、スキンケアや表情筋のトレーニングを継続することで、しわの改善効果を持続させることが重要です。特に、加齢によるしわの進行を防ぐためには、日常的なケアが欠かせません。

まとめ

歯列矯正は、歯並びを整えることで口元のバランスを改善することが主ですが、人中やほうれい線の目立ちを軽減する効果も期待されます。しかし、治療中に一時的にしわが目立つことがあるため、適切なスキンケアや表情筋のトレーニング、生活習慣の見直しも必要です。そして、治療後も定期的なメンテナンスとケアを続けることで、美しい口元と肌を保ちましょう。

expand_less
011-666-7500 LINE 無料相談 / 予約 WEB予約